ひがわり娘


男の子わんさか☆ラブコメ(7月1日)

 『funfun工房』(渡辺祥智/白泉社花とゆめコミックス)って漫画があるのですわ。ちなみにタイトルは「ファンファンファクトリー」と読みます。正確に言うと工房はfactoryじゃないんだけど、まあそこら辺はアレということでナニしてください。

 えー、何をどこからどう説明していいのか分からない漫画なんで、とりあえず裏表紙の解説文を引用してみましょう。

 喫茶店funfun工房で「魔女ベリー」入りパフェを食べたみちる。するとイタズラ魔女にとりつかれ、空からケーキが降ってくるマジカル体質に(はぁと)さらに10人の「星の従者」にも災厄が!? ミラクル・まじかる・パニック第1巻。

 ……何のことだか分かりませんね。
 つまりまあ、みちるという主人公の女の子が「魔女ベリー」という果物の入ってるパフェを食べて、魔女に呪われた。そして同じように「星ぶどう」を食べた「男ばかり」10人も同じように呪われました。この男のことを「星の従者」と呼びます。
 さて話によると、星の従者というのは魔女のいたずらに苦しめられる運命にあるようです。まあ魔女のイタズラといっても「命に関わらない程度に嫌なこと」なんですが。
 ともあれそんなわけで、みちると男の子10人のドタバタで楽しい日々を描いたコメディなわけです、この漫画。

 そう、分かりましたね。逆ラブひなです。一つ屋根の下で暮らさないのが残念ですが、ともあれ個性派ぞろいの男の子10人がよりどりみどりですよみなさん。無駄に元気一杯のちびすけあり、線の細い華奢な男の子あり、落ち着いた陰のある笑顔が素敵な先輩ありと、なかなか隙のない陣容で迫ってくる漫画です。
 さらに言うと、男の子同士の関係も愉快です。たとえば「体が甘くなる」という呪いをかけられた子がいるわけですが、別の子は「甘い物を食べると(厳密には甘さを感じると)一時的に怪力になる」という呪いをかけられています。……はい、何が起こるのか予想してください。多分それが正解です。ううう、いかがわしい漫画だ。

 あ、そうそう、一応フォローしておきましょう。この漫画は絵も可愛いし煩悩一直線というわけではないので、男が読んでも充分面白いです。『フルーツバスケット』のコメディ側が面白いと感じた人には面白い漫画ですよ。
 ……なぜかアニメイトでこの人の過去漫画だけが平積みされてたんで、結構人気あるんじゃないかと。肝心のこの漫画はどうやら増刷待ちらしいんですがね。


あ、『終末の過ごし方』は大好きですよ。(7月2日)

 あー、なるほどね。感情移入じゃなくて自己投影って言えばよかったのか、5/19のひがわり娘その2

 えーとですね、PCエンジェルに大槻涼樹がコラムの連載を持ってるんですよ。まあはっきり言って「悪ぶった口調で政府とか人気メーカーとかの巨悪に立ち向かうぜ俺! どうだ無頼っぽくて格好いいだろ!」的な一度読めばお腹いっぱい文章なんで毎月斜め読みして終わりなんですが……いや今月号でも大したこと書いてたわけじゃないんですが、ちょっと目を引かれる一節があったわけですよ。

 彼らが『感情移入』という点に異常に固執するのはここに起因してますよー。因みに大抵は『自己投影』とはき違えてるのもポイントだぞー。

 ちなみに「彼ら」ってのはエロゲーマーね。
 さて、ちょっと言葉のお勉強として「感情移入」と「自己投影」を比較してみましょう。例として「葩稍あづさがKanonをプレイした」場合で言いますと……
 前者だと葩稍あづさは相沢祐一の論理で思考し、相沢祐一としてものを感じるわけです。対して後者だと葩稍あづさは葩稍あづさの論理で思考し、葩稍あづさとしてものを感じます。(注意・話がややっこしくなるので、主人公以外に感情移入する場合は考えません)
 具体的に言いましょう。舞と最初に出会うために夜の学校へ行くシーンで、その直前に出る選択肢の片方、「つまり俺に風呂に入って暖かくして寝てろと言うんだな?」(うろ覚え)。相沢祐一的にはこの台詞もありかもしれませんが、葩稍あづさ的には言えません。チキンだからな。つまり「感情移入」でゲームをプレイしている場合にはその選択肢を選べますが、「自己投影」でプレイしてるのなら選べません。もちろんその逆、感情移入なら選べないけど自己投影なら選べるという選択肢もあるでしょう(『White』の千波ラストのアレとか)。
 一般的に言い換えますと「感情移入」では読者が主人公の性格を演じますが、「自己投影」だと読者は自分の人格そのままでその世界に入り込むわけです。

 どちらがより良いかとかそういうことは言い切れませんが、基本的に一人称で書かれている作品(今気づいたんですが、三人称の肌ゲーってほとんど見ませんね)は感情移入して読むべきなんじゃないかなぁ、と思うわけです。まあ大抵の人は感情移入と自己投影を上手く使い分けてプレイしてるんでしょうが。

 ところがところが、感情移入や自己投影とは全く別ベクトルの味わい方をしている人もいるようです。どこか(ほんとに忘れた)で読んだONE評に以下のようなものがありましてね。
 ここでプレイヤーはクリックして物語を読むことしかできない自分に対して無力感を感じるわけです。
 ……いや、ONEのラストシーン付近はたしかに無力感を感じるかもしらんが、そういう理由で感じてるんじゃないと思うんだけどなぁ。こういう人って本を読んでも「ああ、俺にはページをめくるしかできないんだ、なんて無力なんだろう」って思うのかしらん。まあ間違ってるとは言わな……いやいや、間違ってるよねぇ。


イヴに禁断の果実を食べさせたのも奴らの仕業に違いない。(7月4日)

「短編小説を書くとき、一般読者が満足するような結末をつけるのに、私はいつも苦労する。実生活では、人間は変化しないし、自分の失敗から何も学ばないし、謝罪もしない」
『タイムクエイク』(カート・ヴォネガット/早川書房)

 もちろん人間個体を考えたときには、上の文章は明らかに悪く考えすぎでしょう。ところが人間という集団を考えたときにはどうでしょうか。
 はっきり言いましょう。人間というものの一番悪い側面を大写しにしてくれるマスコミという存在。今日はそれについてのお話です――

 あれから一ヶ月が経とうとしています。大阪池田のアレね。
 この一ヶ月というもの、マスコミはその使命を十全に果たしたといえないでしょうか。被害者とその周辺にいた人間のPDSD(心的後遺症)をえぐり返し、取材と称して医療機関を妨害し、加害者の過去を面白おかしく関係ないことまで報道し、加害者が精神を病んでいると報道して精神病患者への偏見を助長し、一週間も経ったころには次の話題を提供して事件自体をきれいさっぱりなかったことにする。
 どうでしょう。マスコミがすべきことは他に何かありましたっけ?

 もうすぐ一ヶ月です。やはり彼らは何も変わらないでしょう。全校集会の模様を全国へ流し、手を合わせて黙祷(写真を撮るときにはフラッシュを忘れずに!)したのをいかにも美談であるように書くことでしょう。自治体の対応の遅れがどうのと言うでしょう。

 そして、あとに残るのは被害者たちの心の傷だけ。一ヶ月も昔の事件など報道する価値なし。

「マスコミとは何か。――消しゴムである」
カート・ヴォネガット

 後日追記・心的後遺症はPDSDじゃなくてPTSDだよなぁ。


PS版買った方がいいのかなぁ。(7月5日)

 『MONSTER』(浦沢直樹/小学館)って漫画の連載分に、こんなシーンがあったんですよ。

 子供の頃に受けた特殊な教育(洗脳? マインドコントロール? まあ似たようなもんでしょ)のせいで感情というものをなくした男が、その黒幕に詰め寄ってこんなことを叫ぶ。
人間は、食事をうまいと思わなければならない……休日のピクニックを楽しみにしなければならない……仕事が終わったあとのビールがうまいと思わなきゃいけない……人間は、子供が死んだとき、心の底から悲しいと思わなければいけない……

 ここら辺の人がこれ使ってバキコラか何かやってくれませんかね。どうやらシスプリ寄りみたいなんで、こんな感じで。

「人間は、義妹を可愛いと思わなければならない……月に一度のメールを楽しみにしなければならない……PS版のオープニングが萌えると思わなきゃいけない……人間は、『おにいたま』と呼ばれたとき、心の底から快感と思わなければいけない……」
 でもま、バキほど絵に迫力ないからあんまり面白くないかな。ちえっ。

 ついでに関係ないネタをいくつかおまけで。
 (1)大昔の本って、奥付のところに著者検印ってあったじゃないですか。あれって本当に筆者が押してたらしいですよ。発行部数の確認だとかで。
 (2)今月末に、DNA出版から『とらいあんぐるハート4コマキング』が出る。要するにコミックアンソロジー。今さらという気がすごくするものの、とりあえず買うと思います。


漫画つき携帯ストラップ。(7月6日)

『ちょびっツ』(CLAMP/講談社)の2巻、初回限定版が今日発売となりました。
 えーと、よく分からない人に解説。『ちょびっツ』の2巻は、初回限定版と通常版の二種類があります。初回限定版は、すももの携帯ストラップがおまけに付いてきて定価が……600円ぐらい増しになるのかな?
 さてどうやらこの初回限定版、講談社で生産計画を間違ったらしく発売日に初回限定版が間に合いませんでした。したがって、発売日には通常版だけが店頭に並ぶこととなったわけです。
 さてこのような状況において、CLAMPのファンはどのような行動に出るでしょうか?

  1. 俺は連載でちゃんと読んでるからストーリーちゃんと把握してるもん。急いで買う必要ないから初回版まで待つさ。初回版予約しちゃったし。
  2. もちろん連載は読んでる。加えてスクラップだってきっちりしている。でも、だからこそ細かい変更とか描き下ろしイラストなんかのチェックをしたい。一刻も早く。仕方ない、二冊買うことになるけど通常版も買っておこう。初回版は予約しちゃったしなぁ。
  3. いや、俺はどのみち初回版は開封しない奴と実際に使うストラップ分とで二冊買うし、通常版だって正副の二冊買うことは最初から決めてたから。ええ、なにひとつ問題ありませんよ?

 3番の方の人生に幸おおからんことを。

 ともあれそんな感じの初回限定版が、本日めでたく発売と相成りました。

 ……いやぁ、ほら、ね。ちょっと本屋に別の本を買いに行ったんだけどさ、ぽんっと、無造作に置かれてたんだよ。まあ結局はCLAMPだから絵は一流なわけで、観賞用としてはいい感じじゃない? だからほら、ついでに買ってきたんですよ。ええ、ついでなんですよ。会社の昼休みに飯も食わずに本屋まで行ったんですけど、あくまでついで。あんなオタクくさい漫画のためにそこまでするわけないじゃないですか。あはは。

「ふーん。じゃあ、その本命の本って何だったの?」

 ……あ。……しまった。『東京ミュウミュウ』じゃ何のフォローにもならない。それどころか余計に泥沼ですか。

P.S.『ちょびっツ』2巻の初回限定版は、ファンの人たちに知恵がついてみんな本屋に予約したらしく、ファンにはきっちり行き渡ってる模様。したがって、未開封だからといってYahoo!オークションに流しても買い手はつきませんよ。


うれしいひとこと。(7月7日)

 本日は、Moeのまみ嬢の誕生日。でも去年騒いだからここでは書かないとして、別の話題へGO。いや、書かないだけでケーキ食べたりはしたんですよ。

 さてそれはともかく、葩稍さんはセブンイレブンのタダ券ってのを持ってたわけですよ。えーと、先月頭ぐらいまでやってた懸賞の三等賞品。これの使用期限が7/8だったので、使わないでゴミにしちゃうのもシャクだから今日引き替えてきました。
 で、店員のおばちゃんが私の差し出した引換券を見て笑顔でこう言ってくれたんですよ。
「あら、当たったんですか? おめでとうございます」
 やはりこういう何気ない一言でも添えてあると、非常に気持ちの良いものであります。たったこれだけ一言で、今日一日はいい気分で過ごすことが出来ました。それから、「あら、当たったんですか?」という言葉に「ええ、おかげさまで」と笑顔で応えられた自分にもちょっと満足。
 こういう何気ない、嬉しい一言。今度は自分から多くの人に伝えられるようになるといいな。

 ……とまあ、よくあるOLさんがやってる自称癒し系日記サイトならここで話は終わるわけですが、葩稍さんの日記はここからまだ話が続きます。ええ、蛇の絵には足を描いてこそ完成です。

 今日のタイトル「うれしいひとこと」。種とも子という歌手にそんなタイトルの曲がありましてね、その歌詞もこの話と同じように「町で見知らぬ人からうれしいひとことをもらったよ。私も誰かに伝えたい。そんな気持ちが心にある限り私は歌い続けます」って感じなんですわ。
 問題はその「ひとこと」のシチュエーションが……「道端の何もないところで転んだら、見知らぬ人が『大丈夫ですか』と声をかけてくれた、周りのみんなも笑顔で見ている」って感じなんですよ。
 ……悪いけどさ、そのシチュエーションなら見て見ぬフリをしてあげる方がずっと親切だと思うんだがどうよ。


そいつはちょっと、おあずけにゃん!(7月8日)

 テレビアニメで『フルーツバスケット』が始まったらしいですが、そのあと続けて(別チャンネルらしいが)で『魔法少女猫たると』という何も考えてなさげなタイトルの番組が始まったらしいです。やはり見なきゃダメでしょうか、葩稍あづさです。

 さて猫といえば『東京ミュウミュウ』(征海未亜・吉田玲子/講談社なかよしコミック)の2巻を買ってまいりました。
 相変わらずです。
 まず特記事項として、仲間が5人揃いました。それぞれイリオモテヤマネコ・ノドジロルリインコ・スナメリ・ゴールデンライオンタマリン・ハイイロオオカミの能力を持ってる……わけですが、別にこれって話の内容に影響したりはしないようです。それぞれの動物に似合った必殺技を持ってるわけでもないし、外観や性格的にどうというわけでもないし(ていうか、それぞれどんな動物かよく分からないしね)。
 だがそれがどうした、みんな可愛いからそれで充分なんですよみなさん。俺的には『ちょびっツ』よりもむしろこっちだなぁ。新キャラとして「無駄に元気なちびすけ」「一匹狼的雰囲気をかもし出している美人おねーさま」の二人も登場して、いろんな趣味にきっちり対応。メンバー内カップリングも完全公認が一組。そしてツッコミどころの多い設定。紛れもなく、楽しい漫画ではあります。ストーリーとして面白いかどうかは保証の限りではありませんが。

 あ、そうそう、主人公の決め台詞が一応変わりました。
 地球の未来にご奉仕するにゃん!
 うむ、これなら意味は通じますね。でもやっぱり「一部の同人誌で何が行われるか、手に取るように分かる」という問題点は残ってますが。……『エイケン』とこれでいったい何が起こるんだろう夏コミ……


寿限無。(7月9日)

 ちくしょう、やっぱり「じゅげむ」ってATOKの辞書に入ってねえのな。というわけで「寿限無」をもちろんカテゴリ“人名”で辞書登録して……と、さて本日の話題。

 世界で一番長い人名、というものをみなさんご存知でしょうか。分からない人は各自調べてください(ヲイ)。……いや、調べようと思ったんですよ。ていうか調べたんですけど、見つかりませんでした。あう。せっかく「その名前は郵便局の人に嫌がらせをするためにつけたらしいぞ」なんて無駄な豆知識を披露しようと思ったのになぁ。

 ともあれ長い人名といえば、画家のピカソが異様に長いというのが有名ですね。寿限無と太刀打ちできるんじゃないかってほど長い。ちょっと比べてみましょうか。
 ピカソの本名が「Pablo Diego Rivera Jose Francisco de Paula Juan Nepomuceno Maria de los Remedios Cipriano de la Santisima Trinidad Ruiz Picasso」。
 寿限無が「寿限無寿限無五劫の摺り切れ海砂利水魚の水行末雲来末風来末食う寝る所に住む所ヤブラコウジのブラコウジパイポパイポパイポのシューリンガンシューリンガンのグーリンダイグーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助」。
 ……この場合、文字数比べたって意味ないよね? しかしピカソ氏、自分の著作物にサイン入れるときに本名入れたりはしなかったのかな?

 さて、一番長い、というフレーズでもうちょっと話を続けまして。
 一番長い英単語というのは何でしょうか? ただし以下のような意見は除外ね。「DNAの正式名称って207,000文字ぐらいあるらしいよ」あれは一定の規則で決められる化学式のようなものです。「旧約聖書って、一部の民族にとってはあれ全体を一つの単語と見なして神の名前とするらしいよ」いや、普通の意味での「単語」に限ろうよ。

 まず、普通の辞書に載ってるような単語の中で最長は“Floccinaucinihilipilification”意味は「無価値と見なすこと」。29文字。
 かなり立派な辞書、日本語で言えば広辞苑レベルの辞書に載ってる言葉では“Pseudoantidisestablishmentarianism”意味は「教会への国家的援助撤廃に対する偽りの反対」。34文字。
 特定分野の専門用語なら“Pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis”って病気があるらしい。45文字。

 ……んーとね、俺が何を言いたかったかというとね、“Supercalifragilisticexpiaridocious”って言葉があるんですよ。ミュージカル映画の『メリーポピンズ』の中で、世界一長い言葉と歌われてる曲なんですが……これが34文字。なんか出直してこいって言われそうな程度の長さですね。ちぇっ、せっかくこの言葉の綴りが分かったのに。自慢したかったのに。
 ちなみにこのSupercalifragilisticexpiaridociousの曲、かなり耳に残るし有名な曲だから、みなさん聞けば「ああ、この曲か」と言うと思いますよ。それぐらい有名。「♪やたらにくどくど長い言葉、スーパーカリフラジスティックエクスペアリドージャス♪」鼻歌をお届けできないのが残念です。

 ともあれみなさん、そんなわけで“Pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosis”という言葉を覚えて、酒の席ででも「ねーねー、世界で一番長い英単語って何だか知ってる?」と問いかけてみましょう。そして得意げに「Pneumonoultramicroscopicsilicovolcanoconiosisだよ」と披露すれば!
 きっと誰もが「ふーん」と答えてくれるでしょう。そして「あ、そうそう、そういえばさ」と別の話題を提供してくれること請け合い! なんと便利な雑学でしょうか!
 ……でもね、「世界で一番長い英単語は?」の問いに“longest”と答えられたら、その時は素直に負けを認めるが吉。


メリーポピンズと猫たると。(7月10日)

 えーと、昨日の続き。
 Supercalifragilisticexpiaridociousって単語は『メリーポピンズ』のために作られた造語で、意味はありません。話中でも「長い単語」としか語られていません。普通はこんな単語は覚えられないけど、でも歌にして覚えたらあら不思議! こんな簡単に覚えられ……ってあり? 昨日俺は「スーパーカリフラジスティックエクスペアリドージャス」って書いてるな。綴りと照らし合わせて考えると「スーパーカリフラジスティックエクスペアリドージャス」でなきゃおかしいのに。うーむ、歌にして覚えてしまうと、間違って覚えた時にどうしようもなくなるというリスクが出てくるような。あともちろん綴りも覚えないし。

 ともあれそんなスーパー以下略の歌を人狼さんがMIDIで再現してくれました。ありがとうございます。掲示板の『製作時間8分(笑)』というスレッドにあるので、そちらからどうぞ。ね、聞き覚えある曲でしょ?
 あ、ものがディズニー映画の曲だから少なくとも今月いっぱいで消しちゃうんで、お早めに。

 さて本日の話題。……といっても、実はこっちの方が短い。いえね、『魔法少女猫たると』ってアニメ。WOWWOW放送の上に介錯氏が原作だというので、一気に見る気が喪失。
 だって『鋼鉄少女くるみ』を見てて思ったんだけど、キャラクターが作りものっぽくって嫌なんだよね。作者の作為が見えすぎるというか、いかにもそれっぽいキャラクターを配置して読者を喜ばせようとしているのが見え見えというか。
 読者を喜ばせつつも、そういう作者の作為を感じさせないのが漫画家の仕事じゃないかと思うのですが。


簡単なことをできるだけ難しい言い回しで語る友の会。(7月11日)

 どうやら『かってに改蔵』(久米田康治/小学館週刊少年サンデー連載)はSFらしい
 というわけで、今日は改蔵ネタ。できれば今週号の改蔵を読んでからの方がいいんじゃないかと思います。改蔵を知らない人も、別に前後関係が必要な漫画じゃないんでこの機会に読んでおきましょう。んでもって、今日のひがわり娘はタイトル参照のこと。

 今週号の改蔵は、まさにベーシックな改蔵といえよう。一定範囲のコミュニティで通用する概念を汎的なそれであると仮定し、その仮定を他の場において通用するかという実験を行い、その結果生じるひずみを描くことによって笑いを得ている。
 さてここでその実験の場が卑近な場であるということが改蔵を第一線の漫画たらしめている原因なわけだが、それは今週においても十全に生きている。つまり教師に向かって言いたくても言えないことを言うという行為であり、作者が投影された記号的漫画家が打ち切りを告げられるというシーンである。現代の漫画において記号化された作者の像というものは、まさに読者にとって卑近な例だ。ここで近年の「自己を語りたがる表現者」という傾向も伺えるのだが、ここでは関係ないため割愛としよう。
 そして話が後半になるとその実験はエスカレートしていき、その概念は元来持っていた意味を失う。そして剥き出しの原意のみが代わって浮上するが、その原意に支えられた行為は一般には通用せず、あわれ坪内地丹は下っ端的結末を受けることとなるのだ。まさしく『かってに改蔵』のベーシックな結末であろう。
 ところで今週号に出てきた「よしこ先生」だが、山田さんに続く瓢箪から駒のレギュラーキャラという予感がするのだが、みなさんは如何お思いでしょうか? 記号的女教師(独身)というのは色々と途用範囲が広いと思うのだが。

 ……自分で書いて分けわかんねーや。いや、わけわかんないのは単に俺のボギャブラリー不足のせいか。だって難しい言葉なんて知らないんだもん。知らないんだもん。そっか、他のページの難しいAIR評とか読んでも理解できない原因はここら辺にあるんだろうな。アニマがどうとか時間の連鎖閉鎖性がどうとか。

 まあそれはそれ、今回の改蔵で話題になった「(笑)」なんだけどさ、これって下手すると余計に話をこじらせることがあるんだよね。いえ実際にあったことなんですけどね、よくある可愛い赤ちゃんの写真を載っけてる親バカ系ホームページで、掲示板にこんな書き込みをした人が。
可愛い赤ちゃんですね(笑)
 ……どう見てもケンカ売られてるよねぇ、これ。書き込みした当人は自分が微笑んでるつもりで書いたんだろうけど。


アニメのフルーツバスケットを見たんだ。(7月12日)

 だから箇条書き。何が「だから」なのかというツッコミは野暮だぜベイべー。


殿堂入りは……難しいけど。(7月14日)

 『リリーのアトリエ』って出ていますね。やはり今回も主人公は部屋の掃除が苦手なのでしょうか。そしてそれをカバーするために「生きているホウキ」なんて作っちゃうのでしょうか。
 ああ、生きているホウキのために錬金術の道を志すのも悪くないかもしれない。部屋の様子を見てそんなことを思った夏の昼下がり。
 ていうか誰か俺の部屋を掃除してください。ネコミミメイドさんならなお良し。

 さてそれはそれ、『21-Two One-』(Basil)終了。いやあ、いいゲームだ。古典的なテーマながらもきっちりと描き込まれたストーリー、隅から隅までメインテーマを見失っていない一貫性、きっちりと立っているキャラクター、シリアスとお気楽の絶妙なバランス。軽く扱いやすいシステム。
 そして何より、中だるみも息切れも起こしていない絶妙のシナリオ。ほぼ全ての瞬間が面白い。

 ストーリーを追うシステム自体は、痕を思い出してもらえれば結構。同じルートを何周もするんだけど、エンディングを見るたびに選択肢が増えて別のストーリーに入れるようになる。
 このシステムはどこに利点があるかというと、たとえばストーリーBはストーリーAを読んだものとして描けるということ。つまりストーリーAである事実を明かしたとしたら、ストーリーBではその事実がすでに既知であるとして余計なシーンを省ける。むろん何でもかんでも省いてるわけじゃないけど、重複部分は既読スキップ機能が優れてるから問題なし。

 ……って21のストーリーについて細かいことを書きたいんですけど、激しくネタバレなんで……うーん、掲示板かなぁ。いや評論屋さんに書こう。そういえばうちは日記サイトじゃないんだよな。

 ともあれこれは間違いなく傑作です。個人的印象点では『ねがぽじ』(Active)・『青い鳥』(ぱんだはうす)に譲るものの、誰にも文句なく勧められるという観点では、もしかしたら『とらいあんぐるハート2』以来かもしれない(とらハ2が嫌いな人は、そもそも肌ゲー自体が向いてないと思う)。

 個人的印象はねー、基本的に「剛速球」よりも「完成された変化球」の方が好きなもので。ええ、『青い鳥』にいたってはもはや魔球クラスです。というわけで明日は『青い鳥』についてでも。そういえばこのゲームについて書いたことって一度もなかったや。


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