ひがわり娘

2002年9月1日〜9月15日


羽柴秀吉がんばれー(投げやりな口調で)(9月1日)

 テレビでニュース見てびっくり。「野党」って言葉、いつの間に語尾を挙げて発音するようになったの? NHKのニュースキャスターがそう発音してた。いやNHKがやってること=正しいこととは思っちゃいないけど、NHKのニュースキャスターにはあんまり変な発音して欲しくないなぁ。だってそう発音したら全然別の言葉になっちゃうんだよ?
 ……あ、むかーしむかし、日本の首相で「てめえら野党じゃねぇ、夜盗だ」って言い放った豪快な人がいたんだけどな。今こう言っても誰も分かってくれないのかしらん。

 てなわけで、長野知事選を見た感想。まだ結果は出てないです(現在20:40)
 全員が無所属で出馬してるんだよな。なんでも既存の政党の名を表に出すと紐つき知事に見えちゃうんで、とりあえずバックアップはするけどあくまで無所属で出馬させる、と。つまりあれか、既存の政党というものはいまやマイナスイメージしか持たぬものだと、彼ら自身認めてるのか。

 お前らそんなに自信ないんなら政党政治やめちまえ。


夜中の1時半にサイレンが鳴ったよ。(9月2日)

 9/1日、葩稍さんの住んでいる地域で起こったこと。

知事選
まあ要するに大人の喧嘩だね。
花火大会
もちろんお祭り。
火事
字の通り、火事。

 火事に喧嘩にお祭り騒ぎ、江戸っ子なら大喜びだ。

 つわけで、消火にかりだされた地元消防団に所属している葩稍さん。とうとう昨夜は一睡もできませんでした。てなわけで、今日はもう寝ます。もうゴールしていいよね?

 オチがつかないのは眠いせいってことにしておいてください。


まだプレイしてないけど。(9月3日)

舞人「……なんで子供が?」
こだま「あなたは二年生ですね?」
舞人「え? そ、そうだけど」
こだま「私は里美こだま。3年生です 里美先輩ですよ」
舞人「里美……先輩……」
こだま(せんぱいだー)

 という、今まで100万人ぐらい(数えたら大体それぐらいだった)が使ったネタでお茶を濁そうと思った本日のひがわり娘。台詞を確認しようとして『あずまんが大王(2)』(あずまきよひこ/メディアワークス)を開いたところ、一発で目的のページが開いた。

 この能力で宗教とかはじめられないかな。儲かりそう。


連載全部読んだと思ってたんだけど、違ったみたい。(9月4日)

 本屋行ってきて買ってきました『ゲームコミック痕〜きずあと〜』(ラポート)要するにコミックアンソロジー本。たぶん読まないと思う(買うな)

 と軽いジャブを飛ばしたところで本ネタへ。『アフター0』(岡崎二郎/小学館ビッグコミック)の復刻版って出てるんですよね。完全復刻版。どの辺が完全かというと、昔はコミックが6巻まで出てたんですよ。でもそれは10年ぐらい前の話だし、実は雑誌に載ったものの単行本未収録という作品も結構あって、それを完全収録しての復刻。なんと未収録を全部収録したら全8巻になりました。……四分の一の作品が未収録だったのか……

 と、ここで当然『アフター0』はどんな漫画なのか、の説明をしなきゃいけないわけなんですが……説明できないよ、これ。簡単に言うとSFのショートショート漫画で、つまりストーリーを説明しないとどこがどう面白いのか分からない。でもストーリーを説明しちゃうと読んだときの面白さ半減。そしてショートショートだから、話が盛り上がるとこまでストーリーを書いて、あとは実際に読んでね!って手段も使えない。

 困ったもんだぁねぇ、えーと、昔岡崎二郎のことを書いたことあったよな……→ってうわわわっ! 岡崎二郎のことを藤子・F・不二雄のSFに近い、だなんて書いちゃってるよ! おまえ藤子・F・不二雄の短編読んだことないだろ? てなわけで、明日は藤子・F・不二雄の知られざる側面について書いてみましょう。分かりやすく一言だけ予告「ドラえもんの絵でえげつないお話、それが藤子・F・不二雄のSF」

ん? アフター0? ああ、普通に面白いSF短編だから、
その筋に理解があってお財布に余裕があればどうぞ(なぜ急にぞんざいになる)


藤子・F・不二雄ネタ、まとまんねぇよ。(9月5日)

 お前の文章はいつもまとまってない。(基本的なツッコミを自ら入れることで逃げを打ってみました)
 仕方ないので、今日は小ネタの紹介のみで。→
 ……なによ妹の日って……と思いつつも詳しく読むと、漫画家の畑田国男さんが制定した日だとか書いてありまして。誰だその畑田国男って輩は。そう思って軽く調べる。

 著書の解説ページ発見。てわけで、目次の冒頭を数行引用してみましょう。

 なぜ「妹」なのか
妹と姉の大きな差  /  キリストも「妹」がお好き?  /
太宰の世界でも  /  「古事記」の中の妹

 ……バカだ、この人(褒め言葉)


面白いかと聞かれると困るが。(9月6日)

 あれはもう仕方ない。『北の国から』は完全に別格だ。だって本当に同一人物が年を取って登場するんだよ? テレビの画面見ただけ、説明何もなしで「あー、UFO見た先生だぁ」って分かるんだもん。こんなの他のドラマじゃ絶対に無理だよ。

 ある意味「リアリティのある殺人シーンを撮影するにはどうすればいいのでしょう?」「本当に人を殺せばバッチリ!」的な狡さを感じなくもないが。


『超兵器ガ壱號』が好き。まさに教科書どおりのショートショート。(9月7日)(Writeen on 9/8)

『笑ゥせぇるすまん』って漫画がありましたわな。藤子不二雄A。漫画というよりアニメで有名でしたが、まあともかく笑ゥせぇるすまん。登場人物のすべてが喪黒福造の手のひらの上で踊らされ、そして誰もが不幸になって終わるという、えげつない漫画でありましたね。
 とはいえあの漫画は全体的なダークな色彩で、だけど愛嬌のある喪黒福造の絵で描かれていたので、書いてある内容の割にはさほど陰惨な印象を受けませんでした。まあ内容の方も極端なこと(現実と同じ、という意味ではリアリティのないこと)を描いているからそれほど身近な怖さというのもありませんし。

 ところがところが。どういうわけか藤子不二雄のもう一人、藤子・F・不二雄だとこのまったく逆となります。さほど特徴のない造形で描かれたキャラクター、SF的ではあるけどそれほど極端ではない、極端でないがゆえに身近な恐怖を持つオチ。
 つまりあれ。暗い画面でホッケーマスクをかぶった殺人鬼が殺戮を繰り返す映画よりも、どこにでもいるような少年がナイフを持って道端にいる人ことごとくに切りかかる映画の方がずっと怖い、というのと同じ話。

 藤子・F・不二雄の短編漫画ってのはそんな感じ。てなわけで、ちょいと『定年退食』という短編のストーリーを説明してみましょう。なあに、からくりが分かったところで価値の落ちるタイプの漫画じゃないから安心してくれたまえ。『気楽に殺ろうよ藤子・F・不二雄異色短編集2(小学館文庫)収録ね。

 近未来、高齢化社会・おそらく公害による世界全体の汚染が深刻な問題となっている日本が舞台。日本は「定年法」という法律によって国民の「健康で文化的な生活」を規制していました。具体的には75歳を日本人の定年とし、この国はそれ以上の年齢の人間を扶養する能力を有していないため、定年を超えた人間に対しては国からは年金・食料・医療の保障が一切されなくなっています。そうすることによって定年前の国民に対し「健康的で文化的な生活」を実現をしているわけですね。
 そんな舞台。さて75歳の誕生日を迎えた老人がふたりいます。彼らは節食をして食料を冬に向け溜め込んでいますが、むろんその程度では気休め程度にしかならないことは当人が一番よく知っています。
 そんな節制をしながら日々を慎ましく生きていた主人公とその同年代の友人ですが、ある日突然こんな通達がなされます。
「定年を75歳から73歳に引き下げる」
 国の決定にあらがえる力があるわけでもない主人公は、諦観しきったような穏やかな表情で日課の散歩を繰り返します。
 無邪気に野原を駆け回る子供たち、老人に対して反発したがる若者達、自分に対して気を使ってくれる息子やその奥さん。そんな彼らを横目に何をするでもなくブラブラする主人公。道に設置された救護用ロボットも、主人公に対しては「お力になれなくて残念です」と形どおりの返答しかしない。
 彼らは夕焼けに向かい階段をゆっくりと上り、こんなことを呟きます。
「わしらの席は、もうどこにもないのさ」

 こんな話を淡々とした絵柄で、淡々と当たり前のように描いていく。どこにでもいる人間のように描かれた主人公だから、この物語で起こったことは誰のもとにも公平に訪れるだろうと実感されるわけです。派手な怖さではない、だけど心の底に染みてくるような怖さを有している短編でした。
 これが、藤子・F・不二雄の作風。

 ……しかしなんですね、これが1973年(昭和48年)の作品。先見というのはこういうものを指すのでしょう。
 皆さん、介護保険制度について話を聞きたいですか?


くしゅー。(9月9日)

 最近よく見かける自動販売機の注意書き。
「新旧500円玉、どちらでも使えます」

 どうだろう、これ。やっぱ新500円玉が自動販売機で使えちゃダメでしょ。だって新500円玉って言ったらあれだよ。教育実習に来た先生が手持ちのお金を全部新500円玉と2000円札にして自慢しようとしものの、そうしたら学食の食券販売機で使えないから昼ご飯食べられなくて大弱りするとかそんなイメージがあるじゃん。

 ていうか自動販売機で使えるんだったら、そもそも何のために新500円玉を作ったんだろうか。それとも500ウォン玉も使えるのかな。


ええ、プレイ中だから一言で済ませますよ。(9月10日)

『それは舞い散る桜のように』BasiL開始。
 始める前はちびっ子先輩かなーとか思っていたものの、見事雪村小町嬢に轟沈。ていうかちびっ子先輩が出てくるとこまで進んでないし。いやあ、やっぱり人の三倍ぐらい喋る子は大好きだわぁ。この辺の感覚はそこら辺に由来してるのかしらん。


くるみの壁紙は反則。5分間退場。(9月11日)

 ……また日付がずれてる。いや読者さん的にはずれてないんだろうが、俺的にはずれてる。今日はまだ10日だ。9/10の27時だ。いいんだよ、夜行性動物葩稍あづさだから。

 まあ、それはそれ。今日のお話は『ゆめくみ』megamiのこと。メーカーページへ行ってみれば分かるとおりの、いわゆるはじるす系……「またそのテか葩稍あづさ! ええい嘆かわしや、ストーリー信奉者で『キャラクターなぞしょせん記号だから、記号』などとうそぶいていた頃の貴様はいったいどこへ行ってしまったのだ!」という声が聞こえなくもないですが……でも!
 でもだってだってだって体験版が! 壁紙が! いいからメーカーページ行って壁紙を見てこい! ね? 分かるでしょ? 俺のこの気持ちが分かるでしょ? 分からない人はあれだ、量産型。なにかの量産型。ていうかシナリオライターがはじるすの人で、ボイスがやきいもと一緒ってのは……狙ってるよなぁ。

 さてこのページをごらんの皆様は、早速体験版をダウンロードしてプレイしようとしていることでしょう。ええ、とりあえず体験版をプレイしてください。ここから先の文章は体験版プレイしたことが前提ですよー。

 ……このゲームって、珍しいよね。お姉ちゃんが本当にお姉ちゃんしてる。たしかに妹に甘いけど、でも妹をちゃんと躾けてるお姉ちゃん。バナナジュースのエピソードなど、まさにお姉ちゃんとして言うべきことをきっちりと押さえてるという感じ。
 それでもドジっ子というツボはきっちりと押さえてるんですが、妹もドジっ子なものだから(いうならばゆめみは動のドジっ子で、くるみは静のドジっ子と申せましょう)目立たないというか。どうにもしっかり者という印象になるわけです。
 珍しい。姉キャラがしっかりしてるとは珍しい。姉って言ったらあれじゃん、妹に「お姉ちゃんは、あれで結構しっかりしてるんだよ」とフォローされてナンボだというのに。

 まあともあれ、そんな感じで仲のいい姉妹の物語……と思いきや。

 このゲーム、設定がどうしようもなく暗い。
 だってこの姉妹、はっきりっきっぱり主人公のことを怖がってるんだよ? 嘘だと思ったら庭でゆめみに水をぶっ掛けられてみなさい。他のゲームだったら「あ、お兄ちゃんごめんなさい!」といってあたふたあたふたする、とまあそんな程度のあわて方でしょう。だけどこのゲームだと……本気で青くなって姉妹が庇いあう。
 それに、はっきりと明記されている設定「この姉妹は、お互い以外には天涯孤独のところを主人公の父親によって拾われた」そして、ほぼ間違いないだろう事実「ゆめみは(そしておそらくくるみも)児童虐待を受けていた」このふたつを加味して考えると、以下のような心理が類推されるわけです。

 この姉妹は――少なくともゆめみは――主人公のことを「お兄ちゃん」のことを本気で好き、ということでなく「好き」だと思い込もうとしている。

 詳しくは明日。ほんと、この設定は暗いシリアスへ向かうと底なしに暗く読めるぞ。


「酸っぱいんだもん」と言わなくて済むといいな。(9月13日)

 とうとう文章がまとまらないうちに『ゆめくみ』発売日になってしまいました。

 ちえっ、せっかく
ふたりきりで震えながら肩を寄せ合い、お互いを温め合いながら、縮こまってだけど懸命に生きている姉妹の姿が想像されるわけです」とか
ゆめみにとって『お兄ちゃん』は素敵な人でなくてはならないのです。なぜなら、そうでなくてはくるみが、そしてゆめみ自身が救われない」とか
OPソングを聴いてみて欲しい。明らかに姉妹が互いを温め合う歌で、主人公の存在はどこにもない
だなんて大仰でネガティブな文章を並べて、ちょっと詭弁を混ぜて論理の空中三回転をみせたのちに
だからこそ、ゆめみを、くるみを抱くことが、彼女達自身にとってむしろ救いになるのです
だなんて行為を正当化しようと思ったのに。その方が俺的にはずっと面白い話なのに。

 はい、物語をネガティブに読むのは大得意ですよ。なんでもない台詞一つから、どうでもいいような仕草一つから話を広げてカップリング暗い過去や隠された黒い思いを想像してみせましょう。どんな物語も袋小路の行き詰まりと解釈してみせましょう。痕? あの物語のどこに救いがある? Kanon? 誰もが何も得られない物語でしょう? ONE? ああ、胎内帰還願望の物語ね。
 ていうか俺が昔出してた同人誌ってそんなんばっかだし。

 ……って思ったんだけどさ、今の肌ゲーはみんな最初からそうなんだよなぁ。どうして誰も彼もが無闇やたらと暗い過去を持ってるんだろう。これじゃあネガティブシリアス同人誌の立場がないじゃないか(なくていい)

たぶんゆめくみ、素で本当に暗い話だと思う。


ある意味予想は完全に的中。嬉しくないけど。(9月15日)

『ゆめくみ』megami開始。
 ………………………………………………………………うわぁ……こりゃキツイわぁ……

 はっきり言って『White』ねこねこソフトの千波シナリオ並みにタチ悪いよ、これ。……いや、ゆめみが行為の意味を理解してる分だけ、あれよりはマシかな。まあそんな感じの話です。ちびっ子を洗脳して、合意のもとにレイプする話。しかもなまじ明るいもんだから、当人が罪悪感を全く感じてなくてダークものとして面白がるわけにもいかない。ううう、二人ともそんなことしなくていいんだよぅ……

 そんな感じで、何でもかんでも感情移入してプレイする葩稍さん、現在相当へこんでます。どーするかなー、ハッピーエンドになることは分かりきってるから『ゆめくみ』続けようかなぁ(今やめたら本当に後味悪すぎだし……)
 それとも『それは舞い散る桜のように』再開するか。ちびっ子先輩が出てきたんですが、文学少女って実際あんな感じだよなぁ、と。いや、文学少年少女にとっては、そりゃ子供向け作品が侮れないことは当たり前の了解事項なんですよね。だけど門外漢に言うと真面目に受け取られないから、ついつい説明する口調に熱がこもってしまう。うむ、実に文学少女。
 あと『白詰草話』も進めたいしな。これはむしろ『ゆめくみ』とは逆に白々しい幸せが心地よい物語。同じバーチャルエデンものなのに、この違いはいったいなんなんでしょうね。まあ『ゆめくみ』はバーチャルか、といわれるとバーチャルじゃないんだけどね。

 ……あ……『心輝桜』Carrie'erはどうしたものかなぁ。まだ全く手もつけてないや。


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