まず、基本的なところから確認していきましょう。
大野木麗、おそらく「おおのぎうらら」と読むのでしょう。美緒のエンドにて、望ちゃんが「うらら」と発音しています(余談ですが、この辺の文章誤字だらけです。何とかしてください)。名字の方はどこでも読まれてませんが、常識的に考えて「おおのき」か「おおのぎ」でしょう。……正直なところ、「おおのぎ」と濁った方が発音しやすいのでそちらに決定します。
そして、本編中で語られている麗ちゃん像としては、(1)IQ400、聖祥のトップエリート(二年生)(2)映画好きなおっとり文学生(3)201号室をプチ映画館に改造して日々をくらしている。(4)望ちゃんと性格が似てて仲良し(5)ショートカット。
この辺りが、本編中で定義されている麗ちゃんの構成要素です。
まず話を単純化するために、IQ400と聖祥のトップエリートを同一視します。(本来IQが高いだけで学業のエリートにはなれませんが、彼女はその高いIQを上手く乗りこなした、とします)
さて、そもそもの話、なぜ聖祥に通っているのにさざなみ寮にいるのでしょうか。聖祥にはちゃんと寮があるのに(知佳シナリオ参照)
これは聖祥の寮に行けない深い理由を想像するより、単にさざなみ寮だと部屋をプチ映画館に改造できるからと考えるべきでしょう。改造と言っても暗幕と音響と防音、プロジェクターとスクリーンで事足りることでしょうが(201号室は過去にゆうひがいたから防音に関しては問題なく、さざなみ寮の風土から考えるにその程度の改造は認められるでしょう)
すなわち、部屋をプチ映画館に改造するイコール映画を見るためにさざなみ寮を選んだ、というわけです。
ここから、一度こうだと決めたら絶対に引かない頑固な性格を読みとるべきでしょう。
「ちゃんとしたとこで映画を見たい私なので、暗幕も引けないような聖祥の寮に入るぐらいなら、うちから通える高校に行く私なのですね」
そして、IQ400。はっきり言いますが、400という数字は無茶苦茶です。高“過ぎる”IQというものは、往々にして奇形的な性格をもたらします。(アインシュタインの私生活や、映画『レインマン』をご存じですか?)
とはいえ親許を離れて暮らすぐらいですから 一般生活に支障をきたすほどとは考えづらく、せいぜいがところあの言葉遣い(これに関しては以降に譲る)と昼間からよく眠ってしまうことぐらいでしょう。
後者はなぜ言えるのか? 彼女は本編内で昼寝をしていて夕飯を逃しています。すなわち他の住人は彼女を起こさずに夕飯を食べたということで、彼女が昼寝していて夕飯に来ないのは珍しくない、と推察されます。
また、起こさないということから「寝起きが悪い」を読みとるのは強引でしょうか。
さて「寝起きが悪い」にも2種類ありまして、例えば水瀬名雪(Kanon)のように単に起きない場合もあれば、仁村真雪のように起こしたら怒りだす、ということも考えられます。これは前者だと考えますが、このことは「言葉遣い」と密接に関わる問題なので、以下第二章「大野木麗の言葉遣い編」に続きます。