とらいあんぐるハート2について プレイを終えての感想


 このゲーム全体について、私はかなりな評価を与えていいと思います。ゲーム性は高くない(システムに由来する快楽があまりない)ですが、これはさざなみ寮の生活体験を楽しむものだと思えば、そんなことは問題ではないでしょう。実際、これは、絵と音声のついたゲームブックと言われても仕方ないと思います。

 真雪のセリフで、救いのない終わりの話は嫌いだ、という内容の発言があったと思いますが、このゲームは要約すればそこに行き着くと思います。この寮に住んでいる人の中で、薫や十六夜や知佳や美緒なんかは、世間からはじかれてしまうでしょうが、それでも幸せになろうと思えば幸せになれるんだ、ということではないかと。
 幸せになる努力をすれば、誰でも幸せになれる。言い換えれば、幸せになれないのは、幸せになる努力を怠っている、ないしは足りないからだってことでしょうか。そんなことを思いました。

 日常生活くさいところがまた楽しかったです。恋人同士になれば、そりゃあ何度もセックスするだろうけど(私はしたいです)、そういうところを描くゲームは珍しいと思います。

 設定がしっかりしているところも好感が持てます。たとえば、耕介の霊力が高いという設定は、薫のシナリオだけではなくて、ななかの話でも出てくるし。シナリオに合わせて設定が変化したりはしないと言うことです。

 才気走った、大上段に構えた謎やテーマはないものの、それだけがゲームじゃない。そう思いました。マリーのアトリエってゲームがありましたが、プレイ感は、それに似てると思いました。それに加えて、作り込まれていることに対する好感が残りました。

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