スフィー

 このゲームのメインヒロインと言ってもよい。彼女が主人公に激突(主人公は即死。彼を蘇生するために彼女は魔法を使い、身体が幼女に戻ってしまう)するところからゲームは始まる。ちなみに彼女だけレベルが設定されており(幼女から21才のもとの姿にもどる段階。1から4まで)、それぞれのレベルによってセックスシーンが異なり(1には存在しない。小学生相当の容姿だからか?)、1とそれ以外ではエンディングが異なる。そう言う差異は、遊びとしては面白いと思う。
 彼女の性格は、非常に子供っぽい。元気であり、移り気であり、好奇心旺盛だ。気を使っていると思うのは、子供っぽいが子供ではないというところ。わがままは言うが泣いたりはしない。といっても彼女は容姿は幼女だが、実は21才で、主人公よりも1〜2才上だ。要は、普段は元気だけど本当は優しくて健気ってところだ。
 彼女のシナリオは、彼女の天真爛漫さを表現するイベントが多い。その中で彼女の優しさを描いている。だがありきたり。いい子だと思うが、そのありきたりさが作為を感じさせていやらしい。

江藤結花

 彼女は幼なじみである。例に漏れず元気少女で、口も出せば手も足も出る暴力女だ。彼女のシナリオは、主人公との男同士みたいな関係に隠された彼女の気持ちが露わになるイベントが主だ。
 特筆することは何もない。彼女みたいなヒロインを好む人たちがいるのは知ってるし、僕だって嫌いじゃない。しかし、このゲームをやらなくたって彼女には出会える。

リアン

 彼女はスフィーの妹。彼女はおとなしく、優しく、内気で、文学少女だ。メガネだし。要は女の子らしい女の子だ。子供っぽい姉に落ち着いた妹ってのもステレオタイプだと思うが。
 彼女も特筆することは何もない。

高倉みどり

 彼女は財閥の会長の娘。リアンとキャラかぶりなのだが、彼女の父との葛藤がシナリオのメインなので、救われている。
 また、みどりのシナリオでは、イベントクリアのため、スフィーを店でこき使うことになる。そのあげくにみどりと幸せになってスフィーの記憶はなくしてしまうのだから、なんだかやるせない(スフィーのことを忘れてしまうのはみどりシナリオだけ)。
 これまた特筆することは何もない。美人なお姉さんは好きだが、どうして二人が恋仲になったのか、それが見えない。それは彼女のシナリオに限らないが。

牧部なつみ

 彼女は真のメインヒロインだと思う。彼女は、スフィーと同様にこの世界に修行に来た魔女の、娘だ。魔力を引き継ぎ、知らない内に発動している。しかし彼女はそのことを知らず、加えて父も母も否定し、魔法も否定する。このまま魔法を使えば死んでしまうのだが……、というシナリオで、このゲームでは唯一見るべきシナリオだろう。ただし、誰か一人クリアしないと出てこない。見るべきと言っても、うまく組み立てられている、といった感慨しかわいてこないが。
 最後に、自分を(客観的に見れば)10年以上もほったらかしにしていた母親に、会った瞬間に抱きつくのはどうかと思う。素直な好意以外の何かがあるはずで、そこは表現すべきだ。彼女のシナリオのテーマが、自分を素直に認めること、というのであれば、そこまでそれの葛藤を表現していたのだから、母親に対して態度が変わるにしても、あっけらかんと何もないのはどうしたことか。一言躊躇くらいあってもいいだろうに。

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