ひがわり娘

2000年4月1日〜4月15日


不公平だよね。(4月1日)

 犬を飼ってました。コロって名前でした。中型犬ぐらいの大きさの雑種で、なかなか僕の顔も覚えなくて、結構吠えられてました。かと思うと夜中に家の前を車が通ると突然吠えだしたり、よく手を焼かせるような犬でした。

 「飼ってました」。

 過去形です。おととい、保健所に連れていきました。

 仕方ない、分かってます。コロは鎖を外して逃げ出し、その辺りを走り回って……たまたまそこにいた小学生に噛みつきました。
 幸いにも、その子に怪我らしい怪我はありませんでした。というよりも、コロは本気で人に噛みついたりはしないと思いますが。その程度のしつけはしてきたつもりです。
 犬が人を驚かした、その罰が……処分です。もう一度書きます。「処分」です。

 鎖をもっとしっかりつないでおけば、もっとちゃんと散歩に連れてやっていれば。後悔のあまり、一晩眠ることが出来ませんでした。コロも自分の身に何が起こるのか、僕たちの態度から察したのでしょうか、夜中にか細い声で鳴きました。

 だけど、僕には分かりません。確かにその子は、犬を怖がるようになってしまうかもしれません。今回たまたま怪我がなかっただけで、次回もこうなるとは限らない、それも分かります。だけど……

 保健所に車をつけ、コロを下ろすと、僕の方を見て小さな声で鳴きました。僕のことを責めていたかもしれません、「仕方ない」と分かってくれたかもしれません、それとも何も分からず、また狂犬病の注射でもされるのかと思って鳴いただけかもしれません、単にお腹が空いただけかもしれません。

 不思議に涙は出ませんでした。きっと僕が薄情な飼い主だからだと思います。

 いま、我が家にはコロのための犬小屋だけが残っています。捨てるべきなのでしょうか。その小屋を見る度、コロの鳴き声、駆け回る笑顔、散歩紐を引く力強さ。どれも思い浮かべることが出来ます。

 ただ、コロの亡きがらは庭に埋めてあげたかった。好きだった鯖の缶詰(変な犬ですよね)を、供えてあげたかった。それだけは今でも心残りです。


老若男女にょ。(4月2日)

 時代はぷちこですよ皆さん。
 いや、『デ・ジ・キャラット公式コミックアンソロジー』(メディアワークス)なる本が出てましてね、読んでみたら異様にぷちこの出番が多い。確かに主役格の登場人物三人のうちの一人だけど、台詞の少なさから言ってこりゃ人気薄だと予想してたのよ。でもいいもん俺が5000人分ぐらい愛してあげるからねマイハニー……なんて思ってたら、どうも皆さん考えること一緒のようでして。

 ……しかしいいのか? みんな考え直すなら今のうちだぞ? 日ごろ無口で、喋るときは一番痛い台詞をぼそっと喋るような子だぞ? 幼稚園児だぞ? 目からビーム出す生き物だぞ?

 予想される返答:「そこがいいんじゃん」
 予想の根拠:俺がそう思うから。


大体一時間ぐらい話してた。(4月3日)

 さてさて、本日の疑問。
「キング・オブ・野菜は何か」

 まあ聞いてくれ、「キング・オブ・野菜」とは、すなわちあらゆる野菜の中で頂点に立つにふさわしい野菜。
 これが「キング・オブ・獣肉」だったら牛だろうし、「キング・オブ・魚」ならマグロで決まりでしょう(あ、ここでは食用に限って話します)。要するに一番「世間一般で知名度が高く、かつ高級感もあり、そのうえ多くの人がその味を認めるもの」と考えればいい。比較一位を決めるというのは割と楽な作業です。

 ところがこれが野菜となると、話は途端にややこしくなりまして。上の定義に照らし合わせて考えると(高級感はそもそも野菜とは無縁のものだから考えない)、まず思いつくのはレタスやキャベツ。そして、料理の主役になり得る大根。特に大根のアドバンテージ「料理の主役になりうる」は大きいです。ふろふき大根という名を冠した料理もあれば、大根の入ってないおでんなど想像しづらい。そう、付け合わせとなることが多い野菜の中で唯一と言っていい、主役をはれる野菜。これこそが野菜の王にふさわしいのでは?

 いや待ってくれ、いま君は「付け合わせとなることが多い野菜」と言ったね? そう、野菜とは本来付け合わせとなるべきものではないのか? 野菜は料理の主役となった時点ですでに野菜の精神を忘れているように感じる。野菜の精神を失ったものを、野菜の王と認めるわけにはいかない。
 そう、野菜とは他の食材とは別の物差しで測らねばならない存在ではないだろうか。その意見を認めた途端、野菜ヒエラルキーはほぼ180度の転換を見せます。料理を引き立てるために存在する野菜。そのなかで一番、野菜の精神を色濃く所有しているもの。それこそがキング・オブ・野菜ではないだろうか。

 この定義に照らして考えると、急浮上してきたのが「タマネギ」。全くのところ料理の主役になり得ないもので、しかしかなり多くの料理がタマネギなしではそもそも存在できない。タマネギの入ってないカレー? タマネギを使わないハンバーグ? 犬の餌にでもしてしまえ。
 そしてどんな料理に入っても決してみずからの存在を誇示することなく、旨味を引きだされるだけ引きだされて干からびた形となって料理の中に埋没してしまう。そう、これがもっとも野菜らしい姿と考えられないだろうか?
 考えてみるとこの定義は「キング・オブ」という言葉にそぐわないかもしれないが、これは言葉のあや、気になるなら「野菜・オブ・野菜」と言い換えてくだされ。もっとも野菜らしい野菜。まさにタマネギ。

 そしてそう結論づけたところで、一つの論理爆弾が落ちた。
「米って野菜に入らないよね? 定義で言えば一番キングオブ野菜になるけど」
 ……どうやら、ここに来て「野菜の定義」から考え直さなければならないようです。野菜って何だろう?


運命どころか物理法則まで変える、幸福のペンダント。(4月4日)

 3/3は女の子の日、5/5は男の子の日。ならば間に挟まった4/4は? やっぱオカマの日なんですかね、今日って。

 まあそれは脇に置いておきまして、ちょっと面白いことを検証してみましょう。
 『White』というゲームの中に、主人公が「幸福のペンダント」なるものの通販記事を見てあーだこーだと言うシーンがあります。その記事中から一文。
スランプだったシナリオも一日に一メガ!
 一日に一メガの文章。一口に一メガと言いますが、果たして一日に一メガもの文章を書くと何が起こるでしょうか。

 まず、一メガ=1,000,000バイトに丸めまして(厳密には1,024×1,024=1,048,576バイト)、シナリオ描きはローマ字入力で入力している、とします。つまり、キーボードを一日に百万回叩くわけですね。(後日談・これを書いた当時は全角一文字=2バイトということを失念していました。現在は訂正されています)
 シナリオ描きというものが一日何時間の労働かは知りませんが、ここでは仮に十一時間拘束の十時間労働としましょう。一時間に十万回キーを叩く。これを単純に割ると、一分に1,667回、一秒に約25回キーを叩くわけですね。既にOSの処理が追いつかない気もしますが、それを考えなくともこの速度を十時間維持した場合、キーボードそのものに与える衝撃、手の動きが筋肉に与える影響というものが馬鹿にならないレベルになると予想されます。この辺りの検証は物理の心得がある人にお任せしますが、ともかくそこは「幸福のペンダント」のピラミッドパワーで乗り越えることにしましょう。

 一日で一メガの文章を書いた場合、何が起こるか。そのシナリオ描きは、そのゲーム(でしょうか)に関してはもう仕事をしなくてもよくなります。
 異様にシナリオが長い『とらいあんぐるハート2』で、シナリオファイル全部を合わせて約二メガ。演出用の制御コードが入っているので、実際にシナリオ部分はもうちょっと短いでしょう(文章はほとんど圧縮されていません)。つまり、普通のゲームならば一日一メガも描いてしまえば、その日一日だけで仕事はだいたい終わってしまう、恐ろしくコストパフォーマンスのいい仕事となります。

 なるほど、一日に一メガもの文章を描かせてくれる幸福のペンダント、このパワーさえあれば女性にモテモテになること造作もない、小指一本で可能なことでしょう。
 恐るべし、幸福のペンダント。


茜。(4月5日)

 時代は茜らしい。「今年の春、ストリートファッションは茜で決まり!」というキャッチコピーがヤング向けトレンディ雑誌に掲載される日も近いか。

 いや落ち着いてくれ、「……嫌です」の人じゃなくて、茜という名前がどうも最近俺の中で大ブームの予感。
 というのも、何の気なしに買った漫画3冊に「あかね」という名のキャラクターが登場。そしてその3人ともが別の意味でいい味を出しているのですわ。

 茜その1。『私の猫は王子様・全3巻』(天原ふおん・白泉社花とゆめコミックス)。現代ファンタジー系ラブコメ。主人公の妹さんで、影は薄いけどいつでもニコニコ、おねーちゃんのことを一番に考えているいい子です。

 茜その2。『リヴァイアサン(1)(2)』(大塚英志+衣谷遊・電撃コミックス)。正確には漢字を当てずに「あかね」と平仮名で表記です。だから赤根かもしれないね。ともかくホラー系の物語で、役どころとしては『ブラックジャック』のピノコを暗くした感じだと思っていただければ、ほぼ正解。役にはあんまり立たないけど、主人公の後にくっついてまわるちびっ子で割とトラブルメーカーな所があり。

 茜その3。『心に星の輝きを(1)』(松葉博・エニックスステンシルコミックス)これは主役の子ですね。平安ラブコメで、型破りなお嬢様といった感じ。着物で庭をバタバタと駆け回り、猫の首に紐をつけようなんて言うと涙浮かべて起こりだす、割と世間知らずの子。14になって「結婚」という言葉の意味をよく分かってないとか、(それにしてもこの時代、14で結婚が当然だったとか。いい時代だね)。
 資料至上主義の人には頭抱えられそうな漫画でもあります。

 でまあ、この話にどうやってオチをつけるかというと……どうしよう(……)。


ブチ総理。(4月6日)

 ふーむ、どうもよその日記ページをあちこち見て回るに、今流行の話題は小渕総理らしいな。……元気なうちに話題にしてやれよ、そーゆーのは。
「小渕さんは割と好きでした」
 いや、政治家って好き嫌いではかるものでもないと思うが。……でもまあ、あの人って結果から見れば中曽根以上の大政治家ということになるんだよね、法案が何でもかんでも通ってるもん。もしかしたら、本当は偉大な政治家だったのかもしれないね(過去形で言うなよ)。

 その通り、日本人というのは故人を異様なまでに美化したがる民族です。いや海外ではどんな傾向かは知りませんが(ちなみに、アメリカでもそう変わりはないようです。「もし貴方が芸術の分野で名を残したいのならば、私から一つアドバイスがあります−『自殺せよ』」アメリカ作家の発言)。
 もっと前から、生きてるうちにもうちょっとよく言ってあげれば、関係者全員の利益だったのにね。みず谷なおきファンの人とか(追悼原画展開くパワーでアンケート葉書を書いてれば良かったのに)。

 で、それはさておき新しく総理になる森さん。……誰? 何やった人? いやまじで。


音楽のジャンルって。(4月7日)

 MP3で音楽を圧縮記録すると、データ中にその音楽についての情報を記録できます。タイトル・アーティスト・収録アルバム・ジャンルその他。いわゆるMP3タグって奴ですね。

 で、この音楽のジャンルというものがくせ者で、いくつか用意されてる中から選ぶんですが……どうも統一規格というものがないらしく(多分最低限の規格はあるのだろうけど、プレイヤーとか編集ソフトがそれぞれ勝手に拡張しちゃってるってとこかな)、再生するプレイヤーとか、タグ編集ソフトによって選べるものがまちまちでちょっと困る。

 さてここにSCMPXという、国産MP3再生ソフトがあります。タグ編集機能が付いています。このソフトでちょいと音楽のジャンルを設定しようとしますと、そりゃあもう変わったジャンルがいっぱい転がってますわ。

 “Anime(J)”。まあ、ある意味順当と言えばそうかも。レンタル屋とか行くと、ちゃんと一つのジャンルとして分けられてるもんね。同様に“Game”“Seiyu(J)”も分からなくは……まて、声優ってのは「音楽の」ジャンルなのか? まあそれ言い出したら別にアニメだってゲームだって音楽のジャンルってわけじゃないからいいのかな。

 「演歌」ってのはないんだね。“Ethnic”にするのが妥当なところか。“Dream”。キーボードマニアにもあったが、これがほんとにジャンルだとは初耳。……もしかしたら、ビートマニアにあった“HAPPY”もジャンルだったりしてな。“Top 40”……何の? “JPop”と“J-POP(J)”ってのは別物なのだろうか。

 ……で、だ。この“Moemoe(J)”ってのはいったい何者? なんてことを一瞬思いましたが、よく分かった。この、現在MP3にし終わったところである『でじこの音楽会』だ。なるほど、“Moemoe(J)”以外に適当なジャンルもあるまい。


バスターキートンって知ってる?(4月8日)

 “White”というジュース(厳密には清涼飲料水って言うのか?)が工場の備え付け自動販売機に入っていました(売り切れで飲めなかった)。きっと葩稍さん、“Nice One”を見つけた時と同じく狂ったように飲むのでしょう。……でもさ、正味な話Nice Oneってあんまりおいしくなかったよね。でも飲む。いいんだよ、名前だけでもう充分(……)。
 そういう風に好きなものと同じ名前のもの、というのを集めて悦に入るという行動……はっ、これは恋?

 でもさすがに『Moe』なんてジュースはどこからも出ないだろうし、『痕』なんて何の商品名で使えばいいんだ。そして『雫』は「レモンの雫」で我慢するとしても、『ゆきのかなた』みたくタイトルが単語以外だともはやどうしようもない。
 で、こんな風に「同じ名前」を考えていくと、ついついテレビドラマで『TO HEART』を見てしまったり、プレステで『moon』を買ってしまったりするのでしょうね(それは順番が逆だぞ)。

 はい、そろそろ勘のいい人は分かりましたね、ゴールデンウィークに封切りされる映画『アナザ・ヘヴン』です。いえね、これに千鶴さんが出てくるんですよ。マッドクック・柏木千鶴。Mad-Cook……なるほど、千鶴さんだ。いや原作読んでないから役どころは今ひとつ知らないんですが……あ、大昔の掲示板でちょっとネタが出てたな、と探してみる(そうだ、今の掲示板がもう160件も行ってるから、まとめないと)。
殺した人の脳を、料理して食べる
う……うーん、いかに千鶴さんと言えどもそこまではしないよね。せいぜいがところ、庭に生えていた怪しげなキノコをちょいちょいっと料理しちゃうぐらいで。

 ちなみに千鶴さん役は、岡元夕紀子さんだって。誰だか全然分からないけど。


W2Kって言われても。(4月9日)

 ビッグコミックオリジナルって漫画雑誌があるんですわ。対象がサラリーマン層の漫画雑誌では、一番メジャーなんじゃないかな。何しろ連載陣に『釣りバカ日誌』『浮浪雲』『あぶさん』『ヒゲとボイン』なんてそうそうたるメンバーが揃ってるもんね。

 で、その中に『電脳炎』って漫画があるんですがね、平たく言うとパソコンをネタにしたギャグ四コマ。で、その漫画の柱部分にこんな言葉が。
win2000には、バグがあるとの噂も。Y2KならぬW2K問題が心配され中。
 世間一般の認識ってのは、こんなものらしい。いや、こんなこと偉そうに言えるほどOSに詳しくはないんですが……あんな巨大なソフト、バグがないわけないのにね。で、肝要なのはバグを出さないことでなく(どうせ出るんだから)、バグがあったときにどれだけ的確・迅速な対応が出来るかだと思うのですが。
 だから安定性がなにより要求されるサーバーの世界では、内部ソースを公開しているUNIXにwindowsが勝つことは出来ない、と思うんですが。いえね、バグ報告があったらすぐに世界中のあちこちから回避訂正のための提案が寄せられるらしい。UNIXの世界は。

 それから『MONSTER』って漫画知ってる人は、最新号の連載分は読んでおきましょう。前後のいきさつが全く分からなくてもよく分かる、見事な短編です。ときどきこういうのがあるから、『MONSTER』って侮れない。


体が錆びた。(4月10日)

 いや、これは錆びたと考えるべきだろ。ええ、葩稍さんはアンドロイドですから体が錆びるんです。その証拠に、頭が重い・体がだるい・関節がぎくしゃくする・目がうつろになってる。ほら、錆びてる(若者置き去りネタ)。

 まあそんなこんなで床に伏せっていますと、どこからともなく借金取りがあらわれて「おうおう! 今日こそ貸した金、きっちり耳を揃えて返してもらおうじゃないか!」(中略)「あーれー、おとっつぁーん!」
 ……なんか、ほっとくといつにも増して中身のない話になりそうだな、ひがわり娘。

 ともあれこんな不安な気持ちになりますと、誰かナオンに看病してもらいたくなるものです。美緒(とらハ2)とか。瑠璃(Moe)とか。……いや、2人とも看病できそうにもないか。看病できそうなのは……あ、和泉。日頃は健一君を相手にしてるから手際悪そうに見えるんであって、基本的には手際いい子だと思うん。そして今の俺を見るとこんなことも言いそうだな。

「も、もう〜あづさちゃん、ゲームなんかやってないで寝てなきゃダメだよ〜」
「うう、もう俺はダメだ。和泉、添い寝してくれ」
「え? え?! ええぇぇぇ〜?!」(真っ赤)

 ……いかん、何か嬉しくなってきた。バカなこと考えてないで早く寝なければ。


お食事中の方はご遠慮ください。(4月11日)

 てゆーか物を食べながらインターネットしないようにね。……こんなうわさ話があってですね、いつも使ってるパソコンの調子がどうもおかしい。どうしてかなーと思ったら、どうも機械の中からカサカサと音がする。ハードディスクの音とは全く違う。そこで不思議に思って開けてみると、中からは丸々と肥えたゴキブリが。いやまて考えてみろ、どう考えてもあんな大きなゴキが入れるほどの隙間なんかパソコンにないのに……そう、彼はいつもお菓子を食べながらパソコンの前にすわっていたので、そのお菓子カスがパソコンの中に入って、それを食べたゴキ(ものすごく小さい頃に隙間から入ったらしい)は大きくなったのです。だから、こんなこともあるので物を食べながらパソコンで遊んじゃいけないよ。
 ……まあ真偽のほどはさておき(どうせ偽に決まってるんだし)、そんなわけでお食事中の方は今日のひがわり娘を読まないようにね(もう遅い気もするがな)。

 さて本題。今年の風邪は下痢を併発します。そりゃあもう葩稍さん、まるで戦時中の薄い粥のような便を排泄しましてね、それが一時間おき。仕方ないから下痢止めを飲んだら、今度はまるで出やしねぇ。
「じゃあ何の問題もないじゃん」
 チッチッチ、甘いぜボーイ。出るべき便が腹にたまったままだと、当然人間の体というものは変調をきたすわけでして、腹痛。もう下腹部がずんずんと痛み、脂汗だらだら。しかし「辛いときにはパンを食えなおのこと笑っていろ」的信念を持つことに最近決めた葩稍さん、誰にも弱音を吐かず健気に耐えていきます。つーか弱音はいても誰もなんともできないしな。所詮人間というものは一人で生まれて一人で死んでいくものなのさフフン(何かあったんかこのガキ)。

 ともあれ人間の体とは上手くできたものでして、脂汗を5時間も流してたら風邪も治るわな。ラッキー。


シルバーミレニアムってあったな。お年寄り千年期。(4月12日)

「瑠璃、風邪治ったら何か食べたいものあるか?」
「ふらいどちきん〜ふらいどちきんー」
「分かったからそんな惨めっぽい声出すなって」
「からいのやだよ〜」
……果たして『Moe』ネタをどれだけの人が理解できるのかは未知数ですが、そんなの今に始まったことじゃないし、いいでしょ別に。(おい、開き直りやがったぞこの小僧)

 てなわけで、風邪が治るとともに食欲も帰ってまいりました。ほんとにフライドチキンでも食べましょかね。ただし辛口。

 まあそれはさておき、もうすぐ我がHPもめでたく2000ヒットを迎えようとしております。これもひとえに皆様のご愛顧のおかげでございまして、不詳葩稍あづさといたしても云々かんぬん。しかし2000ヒットとは、すなわちミレニアムヒットとも言えるわけでございまして……

 ……おい、2000のことを英語で言えば“ミレニアム”になると思ってないか?


辞めさせろよそんな都知事。(4月13日)

 昨日のひがわり娘が不調だったし、今日は『まんがタイムラブリー』も買ってきたからもも子先生についてまた騒ごうかなー(いや……だって親指姫サイズでぷりちーなメイド服……)なんて思ってたんですけどね。……どーして政治家ってこう問題発言が好きかなぁ。つーわけで本日は予定を変更して葩稍@シリアスモードで(まあ誰もが同じこと言ってばっかりで食傷気味だと思うけどね)。

 でもあたしゃ、どちらかというとマスコミを憎む。いえね、だって考えてみてくださいよ、もし「三国人」という言葉を取り消したとしても、「不法滞在している外国人が災害時に騒擾を起こす」という偏見を彼が持ってるって事実は変わらないわけじゃないですか。……いけないだろ、こーゆー国粋主義者を要職につけちゃぁ。でも報道は「三国人」って単語に関してばっかり。
 まあマスコミはいいよ、マスコミが中立だなんて考えるのが間違いなんだから(人間が写真撮って、カメラ回して、文章を書く。そこには意志が作用します)。問題を都知事に絞りましょう。

 たしかに「不法滞在している三国人」という但し書きつきの発言だけど、そもそも“不法滞在者による犯罪”が日本人の犯罪に比べて有意に多いというデータは提示できるのでしょうか。「阪神大震災時には、そんな騒擾は起きなかったが」「神戸とは不法滞在者の質も量も違う」(読売新聞インタヴューより)どう違うのか?
 つまるところ「ああ、あの外国人は気味悪い、きっと悪人に違いない」そんな偏見を持っているとしか思えないんだけどなぁ。災害時に不法滞在している外国人が団結して悪を行うという発想は、関東大震災の時に「朝鮮人が井戸に毒を入れて回った」って風聞が流れたのと同レヴェルなんですよね。確かに個人がそういう偏見を持つのはいいことじゃないけど、それは確実に存在する(それを認めた上で、いかになくすかを考えるのが必要な態度)。でも都知事が公の場で発言しちゃあ、その偏見を増長する結果になると思うんですけど。

 都知事の「『三国人』という言葉を取り消すつもりはない」「自衛隊は軍隊だ。いい加減事実を認めろ」って決然とした態度(読売新聞のインタヴュー)はむしろ好ましいと思うけど、確信犯だからタチ悪いってのが大問題だな。


描き下ろしゼロ。でも買う。(4月14日)

 いろいろと手持ちのゲームが増えました。ありがたや。……さて、私はいったい何に感謝しているのでしょうか。世の中とは実に不思議に満ちあふれています。

 まあそれはさておき、今日の話題は漫画文庫。
 いえね、『月は東に日は西に』(わかつきめぐみ・白泉社)が文庫になったんですよ。でもまあ、これだけだと別にどうってことはない話です(ちょっと人気あった奴なら片っ端から文庫になるご時世だし、そもそも古本屋行けば単行本が100円で売ってるから手に入りづらいなんてことはなかった)。ただこのわかつきめぐみって漫画家、文庫の解説がちょっと変でして……

 本の解説ってのは、その作品「を」好きな人が書くのが普通じゃないですか。ところがこの人の場合、作者「が」好きな人に頼んで解説を書いてもらうってスタンスなんですよね。で、その結果実に奇妙な解説文が生まれるわけです。

 代表作『So What?』(全4巻・白泉社漫画文庫)の4巻、解説文は作者が好きで好きでたまらないバンド「ムーンライダーズ」のヴォーカル・鈴木慶一さんでした。……でだな、何が問題ってこの解説、肝心の『So What?』について一言も触れてないんですわ(思うんだけど……慶一さん『So What?』は読んだのかなぁ……)。

 で、今回『月は東に日は西に』の解説が誰だったかというと、庵野さんでした。アニメ監督の。……そーなんだよな、最近は石とか星とかそーゆー渋い方面の趣味ばっか目立ってるけど、昔々はアニメファンで漫画のコマ外に「バイファムはいいぞぉっ!!」なんて書いちゃう人だったんだよね。
 庵野ってことで「解説書く人の話題性で売ろうって態度が気にくわない」なんて言ってた人がいたけど、俺に言わせりゃ「あんたの方がわかつきめぐみを分かってないよ」ってとこかしらね。だいいち庵野の名前だけで売れたのは、もう一年以上昔の話だ。


ひねた賛辞。(4月15日)

 小説、ゲーム、漫画、その他。色々な物語を誉めるとき、皆さんはどのような言葉を使うでしょうか。いや素直に「面白い」って言えばいいんでしょうけど、そこはそれ、素直でない人間だったり「ありきたりの賛辞ではこのすばらしさは解説できない」なんて思ってたりすると、途端に変な言葉――とても賛辞とは思えないような――を使って誉めるようになるものです。

 さてさて、葩稍さんは物語の細かい部分(台詞まわしなど)が秀逸なときには、このような言葉を使って誉めることが多いようです。
「汚ねぇよ」
「『ちりんちりん』ってお前、汚ねぇよ。そんなの繰り返したら泣くに決まってるだろ」「手作りの人形……? 汚ねぇ! 汚すぎ!」「『ついしん』……って、最後の一行だけで泣かせるのか汚ねぇぞ!」云々。主に泣くときに使うことが多いのかな。

 古くはセーラームーン(1年目)のラスト付近から、最近ではMoeの先生シナリオまで。かなり繰り返し使ってきた言葉ですし、これからも繰り返し使っていくでしょう。「汚ねぇよ。泣くだろ、それは」

 さてさて、細かい点でなく大きな部分――物語の設定そのもの、全体の構成云々を誉めるときには、また別の言葉を使って誉めるようになります。やっぱり賛辞とは思えませんが。
「既知外かこいつ」
 YU−NOの構成を見て「なんでこのサイズが矛盾なく構成できるんだ、既知外だよこいつ」とか「近親と子供と同性愛を一つの話で全部ネタにするって、既知外かぢたま某」云々。特に、込み入った構成が矛盾なく運営されている時にこの言葉を使うことが多いようです。

 さてさて、久しぶりに「既知外かこいつ……」と呟くゲームをプレイしました。『2nd LOVE』。いやまだ終わってないんですが(現在の相手は……小学生か? どう見てもランドセルに見えるんですが)、タイムクエイク式……と言っても誰も分からないか。そうですね「主人公が前のプレイのことを何となく覚えている『痕』」って辺りかな。終わってない状態で敢えて言わしてもらうが、これで統一感が高ければ俺殿堂入りの可能性すらある。
 もっともこのゲーム、前半(というか、一周目)があんまり面白くないので、面白くなる前にプレイを止めちゃう率高し。前半は我慢してでもプレイして……って、そもそもゲームってのは我慢してまでやるものじゃないしねぇ。


ひがわり娘検索

AND OR
ひがわり娘indexアイコン
トップに戻るアイコン