「『ONE』の続編が出たらタイトルは何になるんだろう?」「『ONE2』でしょ」
というわけで、出ました『ONE2』こと『Memories Off』(PSのギャルゲーです)。では『White』のことはなんと呼べばいい? そう、『ONE3』です。
いや、制作者が『ONE』のことを大好きなのはすごくよく分かった。ていうかこのゲーム、はっきりきっぱりONEもどきですよね。健一=浩平、楓=みさお、和泉=長森、葉月=茜。まあまどか=七瀬とか千波=澪ってのはちょっと言いすぎだけど。みかなは誰にも似てないかな。
「じゃあ、つまらなかったの?」
「いや、ONEほどじゃないけど面白かったよ」
結局、この発言がこのゲームへの評価です。ONEほどじゃないけど、笑えた。ONEほどじゃないけど、泣けた。ONEほどじゃないけど、みんな可愛い(いや、私的には長森より和泉の方がずっと可愛いですが)。
オリジナリティに重きを置いてゲームを評価する人なら、下手したら最低点の評価がつくかもしれません。完成度も、正直なところONEには遠く及びません。ONEがバケモノすぎたと言えばそうなんですけど、だからといってONEのことは考えないでこのゲームを評価するということは不可能です。あまりに似すぎ。
ところで創作の道に少しでも入った人ならば、こんな経験はないでしょうか。他人のある作品に強い衝撃を受けてしまい、何を描いてもその作品に似てしまう。そしてその作品の匂いを消そうとあがくあまり、そもそも自分の描きたかったことを見失ってしまう。そんな経験はありませんか?
ところがこのゲームの場合、ONEの匂いを消すどころか敢えてONEに言及し(昭生から返してもらったゲームがONEじゃないとでも?)、ONEのイメージを引きだそうとしています。むしろONEもどきであることを肯定し、「それで悪いのか」と詰め寄っているような雰囲気さえ伺えます。
そう、はっきり言います。このゲームはパロディです。パスティーユという言い方が好きな人なら、そっちでもいいでしょう。
「このゲームをやるような人は、『ONE』もやってるに決まってる。ならばONEのパロディをやってもみんな分かってくれるのではないだろうか」
本当にそう考えたかは謎ですが、そういう逆転の発想とそれを実行に移せる強さを持った作者。たとえ誤解であったとしても、私はこのゲームに味方します。
……ただ、これで完成度が『ONE』以上だったならば、もっと手放しに誉められるのですが。
「『トルネコの大冒険』ってさ、結局『ローグ』もどきだよね」
「ふーん。でも俺はトルネコの方がいいな」
そうそう、全くの余談なのですが、CGモードで(Hシーンを見ていない千波が埋まらないのは当然として)、「その他」の2枚目が出てきません。よかったら誰か教えてください。
さてキャラ評価ですが、まどか先輩だけ私の評価は異様に低くなっています。ファンの人は読まない方がいいかもしれません。……いや、ファンの人はぜひ彼女を弁護してあげてください。