どうやらメインヒロインのようです。つまり、なにかとゲーム上でえこひいきされてるわけです。しかし、万能を目指したあまり器用貧乏になることはよくある話で、彼女には何か軸となるものが足りないわけです。それは「こだわり」と言い換えてもいいでしょう。「七瀬恋」と言われて、ヒロインという一言以外で表現することができません。
彼女も恋と一緒で、軸になるものが感じられません。彼女は「お嬢様」であり、「お嬢様」は受け身のものだからです。それは、彼女が「お嬢様」ぶりを発揮する場所がシナリオの中でなかったということでもあります。
彼女はこのゲームの白眉だと思います。こういう陵辱ゲームと、彼女のような勝ち気なキャラクターは相性がいいです。つまり、そういう勝ち気なキャラクターが堕ちていくさまがおもしろいということです。
勝ち気と言えば礼美主任もそうなんですが、ひかるがあくまで大事な弟のために堕ちていくのに対して、主任は自分の快楽におぼれていきます。他のキャラクターもそうですが、主任は、どこかで「私はこんな淫らな女じゃない」「私は脅迫されてこんなになっている」と、心のどこかで言い訳をしている風です。しかし、ひかるだけは、自分の選択で、弟のために自分の身体を差し出します。それだけ弟への思いが強いということです。
総評のところで「こだわり」などということについてふれましたが、彼女はそれが裏目に出ています。彼女の2度目や3度目の実験のとき、私はひいてしまいました。そこまでやっているのに、どうして堕ちてしまわないのか、と。
陵辱は拒否されなければなりません。かといって、ずっと拒否されたままではこちらが持ちますまい。それはずっと陵辱を続けるということですから。拒否の中にもどこか受け入れるところを見せてほしいわけです。