もともと肌ゲーのクオリティはピンきり、面白いものと面白くないもので、天と地ほどの差がある。まあいいじゃないの、スタージョンの法則をご存知ですか?「すべてのものの90パーセントはクズである」つまりそういうこと。プレイヤーに面白かったゲームを10本ぐらい挙げさせれば、上位陣が大体固まってしまうのは仕方のない事実。

 だけど、肌ゲーというものは本質的に隙間産業であることを忘れてはいけない。成功した最近のソフトはおおむね何らかの方向に特化していて、たとえば『はじめてのおるすばん』。女性のバストが90センチ以上ないと何も感じないという人は完全に切り捨てたゲームだけど、これはご存知の通り大成功。つまりこれからこの業界で成功するコツは、バランスよくすべての層にアピールするよりも一点集中で「こういう趣味を持っている人は全員買う」というものを目指すこと。コピペの中にも『はじるす』『ファントム』っていう好例が混じってるね(物語として面白いゲームというのも、出始めた頃は特化したゲームだった)。つまり、それで成功できてしまうということ。

 例示されたコピペ。そこに挙げられたものは多くの人が面白いと思ったもので、事実面白いゲーム。だけどほとんどのプレイヤーはそれ以外もやっている(音楽と違って、それだけという薄いファンがほとんどいないのがこの業界の特殊なところ)。そしてその中に面白いと思ったゲームもあるけど、それはあまりマジョリティから支持を受けるようなゲームじゃない。だけどそのゲームには会社を維持できる程度のファンが付いて、次回作をチェックしてくれる。次回作も同じように買ってくれるかもしれないし、同じように新しいファンが付くかもしれない。それの繰り返し。ファンを付けることに失敗したメーカーは衰退するけど、それは仕方ない。

 肌ゲーの業界は、文句なく狭いマーケット。だけど少ない売り上げでも会社が維持できるので、野心的な作品が出てくる可能性に溢れた業界であります。


この論に対する反論:何らかに特化したゲームというのは、数でいえばさほど多くないという事実をご存知かな?