ひがわり娘

2004年1月17日〜31日


そもそも芥川龍之介を読んだことないかも。(1月17日)

 なんか、芥川賞を20歳ぐらいの女性作家が受賞だそうで。最年少受賞記録の更新だってね。んで、それ見てあちこちで怒る人続出。なんでもこれは商業主義に凝り固まった文藝春秋社の話題づくりのための受賞でしかないんだってさ。俺は受賞作どっちも読んでないから知らないけど、あんなに大勢の人が怒ってるからにはきっとそうなんでしょう(みんなきちんと読んだ上で文句言ってるに決まってる)
 内容のまったくないスカスカな、誰にでも書ける駄文が話題づくりだけのために受賞したんだろうね。俺読んだことないから分からないけど(みんな読書家だなぁ)。芥川賞も地に落ちたもんだ。いや、俺は受賞作といっても丸山健二と大江健三郎、あと阿部公房ぐらいしか読んだことないけど(受賞作の総数は100ぐらいだっけ)

 しかし芥川賞かぁ。今でもそんな権威ある賞なのかな。去年の受賞作はなんだっけ? 覚えてる人どれぐらいいる? んで、今年芥川賞を取った二人のことを来年の今頃まで覚えてられる自信のある人ってどれぐらいいる?
 文学賞なんて、普通の民間人にとっては所詮その程度。いや今回のことで怒った人にとってはもっと大事なものなんだろうけど。


今年はこの手のネタ流行りそうだな。(1月21日)

 バレンタイン神社ですってよ皆さん。→

 巫女さんがチョコくれるとかそういう神社だと思ったのですが。


カイジ最終回。(1月27日)

 いや厳密に言うと『賭博破戒録カイジ』の最終回であって、いわゆる第二部完かもしれないけど。ともかく今週号のヤングマガジンで『カイジ』(福本伸行/講談社)が終わりました。
 ということで、以下は今週号のネタバレなりよ。……とはいえ、別に最終回のカタストロフィが面白い類の漫画じゃないんで、別にマスクとかしないよ。だいたいラスト三話ぐらいまでが面白かった。

 さて感想ですが。
 もちろん、カイジはやり直すことなんかできません。手持ちは三万円で身寄りなしの上、わけの分からない見栄っ張り。単純な話、焼肉屋から出た直後今晩の宿にすら困るはずです。そして虎の子であるはずのを十万円をパーッとスってしまうギャンブル依存症っぷり。どう考えてもダメじゃん。彼らは叫ぶ「そして勝とう!」何にだよ。どうやってだよ。

 とはいえ貶してばっかでも精神が荒むので、ちょいと好意的に見てみましょう。この最終回で、作者が描きたかったことは何か。この路線ならもうちょっと好意的に見れるはず。たぶん。
 作者は、何らかの意図を持ってカイジに手持ちの金をすべて摩らせて、誰でもちょっと考えれば分かるような窮地に陥らせたはずです。いや今春に始まるという新章への布石とかそういう見方しちゃダメ。
 カイジは、少なくとも今この瞬間だけは「やり直したい、やり直せる」と思っています。でも彼のこれまでの人生が、そしてパチンコで十万円を摩ったという事実が示すとおり、おそらくそれはうまくいかないでしょう。三日もすればまた自堕落に生き、借金作って「ギャンブルないっスか」とか言い出す。それの繰り返しが彼の人生だとすると。

 もしかしたら、手塚治虫の『火の鳥』と同じテーマをものすごく卑近な話にしたのが『カイジ』をはじめとする福本伸行の作品群なのかもしれませんね。
 『火の鳥』。人間は、どれだけ過ちを繰り返しても生命をうまく使うことができない、だけどそこから脱出したいとは思っているんだ、それが人間なんだ。というそんなお話でした。いや本当のところどうかは知りませんし、未完のまま作者が亡くなられてしまった以上は想像にしかならないのですが、少なくとも私はそう読んでいます。
 何度失敗を繰り返しても俺はバカのままだけど、今度こそがんばりたいとは思っているんだ、優しくなりたい、少なくとも今そう思ってるという事実だけは間違いないんだ。
 でも、うまくいかない。人間とは、失敗して後悔して、失敗して後悔して、失敗して後悔して失敗して後悔して失敗して後悔しての繰り返して生きている。でもそれが人間なんだ、でもがんばりたいと思ってはいるんだ。
 そんな足掻く姿、それこそが愛すべき人間の本性なんだ。そこを描いた漫画が『カイジ』だとそう理解しましたがどうでしょうか。

 ……でも俺は、福本漫画なら『銀と金』『アカギ』みたいなスーパーヒーローが活躍する漫画のほうが好きだなぁ。


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